薄花の咲きこめて、
春と恋う
大正六年春、京都。 〈あわいもの〉を視ることのできる三校生の立花柊太郎は、北白川の川沿いで音楽家の不思議な男・花舘葉一と出会う。彼は花舘家の桜に宿る神〈薄花〉に叶わぬ恋をしていた。やがて、葉一にはもう時間がないことを知り……。悲しき幻想奇譚。