字書きがいいねの数だけ詳細に語る

「#字書きがいいねの数だけ詳細に語る」というタグをこの前Twitterでしました。もともと語るのが好きなので、とても楽しく答えさせていただきました。「いいね」をくださった方、本当にありがとうございます。
ちょっと語り足りなかったこともプラスして、こちらにまとめますね。ついでに、いいねもらってないけれど、最後まで語りたくなったので質問30まで答えてみました。

1.視点(一人称、三人称など)の使い方について

それぞれの作品によって変わります。ショート・ショートだと一人称西勝ちで、長くなると三人称のほうが書きやすいのかな、と感覚的に。また作品の雰囲気に合っているかどうかによっても使い分けをしています。どんな風に作品を見ていただきたいのか、物語を映画のスクリーンのように見ていただきたいのか(三人称)、もしくは登場人物の心に寄り添ってほしいのか(一人称)ということも少し考慮しています。

2.句点・読点の使い方について

あまり深く考えないで、そろそろここで切ろうかなというタイミングで使っていますが、理想は流れるように読める文章なので、音読をしたときに変につっかえたりするときなどは句点をつけて文章を切り離したり、読点をつけたりもしくは取ったりしています。このあたりの調整は校正のときに一通り行います。

3.記号(?!…——など)の使い方について

「!」「?」「——」はよく使っているような気がします。人間ではない登場人物のセリフには――をつけることが多いので、それが癖かもしれません。言葉によっては《》や〈〉を使うことが好きなのですが、きっとこれは海外の児童文学の影響ですね。逆に「!?」は横書きのときの変換が面倒くさくてあまり使っていません。

4.表記ルール(字下げ、改行など)について

文法の基本ルールを守っています。以前はWEBに上げる前提でセリフの前後を行あけしていたのですが、段々しっくりこなくなってしまい、やめてしまいました。本にしたり印刷して読むことを考えて書くようになったので、ネット上だと読みにくいんだろうなあと思います。

5.ひらがな・カタカナ・漢字の使い分け

昔は小難しい漢字を使うことがかっこいいと思っていた時期もありました。以前参加させていたいた「季刊ヘキ」で”ひらく”ことの大切さを知り、そして友人から「読めない漢字があって困った」と意見をいただいてから、読み方が難しい漢字には振り仮名を打つようにしています。
擬音語はカタカナよりひらがなで何となく書いてしまう癖があります。そしてなるべく、漢字を統一させようと頑張るけど、時々見落としていて悲しくなります。「会う」を「逢う」にしたり、「時」を「とき」にしたりと、その時々でへんなこだわりが出ます。

6.よく使う辞書や参考文献は?

参考文献はお話の舞台や、モチーフや出したいものによって必要な本を図書館で借りることが多いです。薔薇の図鑑、日本洋館の本(建築関係は99%趣味)、北欧神話、挿絵集……時代ものを書くことが多いので、その頃の出来事や文化もなるべく矛盾のないように、自分の納得できるところまで調べます。本が一番安心ですが、気になる調べものに関連したWikiやブログやサイトも覗いたりします。そして!なかなか文章ではわからない背景を知るのに古写真、アーカイブ映像や朝ドラの映像も重宝しています。
なるべく矛盾のないように、と調べるのでメモしたものや取り入れた知識は物語にはそれほど反映されないのが悲しいところですが……知らないことを知ったり発見できるのはとても楽しい作業です。
辞書は写真のものを愛用。感情類語辞典と色のことば選び辞典はようやく入手することができたので、執筆作業の効率化に期待です。


7.アイデアはひねり出す?降ってくる?

アイデアは基本降ってきます。(お題はまた別です)目にした映像、その時の感情、言葉からどこからともなくふとした瞬間に降りてくるので、忘れないようにするのが大変です。そこからいろいろ想像を膨らませていきながら、調べ物を進めながら、アイデアに肉付けをしていきます。お蔵入りも多いけど、いつか使えるようにメモはしておきます。書けないということは「まだ作品にするタイミングではない」と思っています。

8.アイデアをどうやってストーリーに仕立てる?

アイデアは大抵「ワンシーン」として降ってくるので、その前後にフォーカスを少しずつ移動させながら想像を膨らませて、あやふやなことは調べて明確にして、人物に名前をつけて、性格など人物像を作りながら話の終わりを考えてようやく、一つのストーリーになります。
全てのつじつま、パズルのピースが重なるとスラスラ書けるような気がします。なのでひとつでも不自然なものがあると話が進まなくなってしまい、そんなときはひたすらプロットをねりねりしていきます。

9.どこから書き始める?

序章(初め)から書き始めます。

10.自分の文章の好きなところ嫌いなところは?

好きなところ……「読みやすい」と言っていただけることかな。
嫌いなところのほうが沢山あって、似たような表現ばかりになってしまうこと、語彙力が少ないこと、台詞がなんだか不自然になりがち(自然な話し方にとても憧れる)、表情描写や心情描写が苦手なことなどなど。

11.どうやってタイトルを考える?

タイトル付けの作業って難しくありませんか? 私は書く前にタイトルを決めるタイプなんですが、これがなかなか難しいと毎回思います。どんな話がわかるようにキーワードを入れるようにしたり、季語を使ったり、外来語ばかりにならないように気を付けたりとか、あとはもう雰囲気です。これだ!というものがあれば完璧です。ちなみに拙作でのお気に入りは「薄花の咲こめて、春と恋う」です。

12.お話にテーマってありますか?

私の場合は逆にないと物語が迷子になってまず書けないので、それぞれにテーマを持たせています。物語の中に直接登場させることもあればなんとなく雰囲気として曖昧にしていたりすることもあります。

13.いつか書きたい設定・テーマ

いろいろ書きたいものがあるのですが、大正ロマンの王道「令嬢と身分違いの恋に落ちるようなベタベタ悲恋」ものを書いてみたいです。あとは「スチームパンク風の世界観で青年スパイと自動人形がオリエンタル急行でミッションを遂行する話」「ロシアから亡命した貴族の子供とのロマンス譚」「大正末期の神戸が舞台のテーラーの話」などなど、上げたらきりがありませんが、いつか書きたいですね。

14.筆が進まないときの対処法

進まないときはどうしようもないので、締め切りがない限りは気が向くまで書きません。それまでは漫画を読んだり、アニメやドキュメンタリー、映画を見たり、小説を読んだりしてインプットに勤しみます。

15.推敲では何を直すことが多い?

まずは誤字脱字!パソコンでチェックしてから紙に印刷して時間を置きながらチェックします。それでもかれらは私の二重三重の包囲網をかいくぐり、製本やサイトにアップした後に「やあ」と悪びれもせずにひょっこり顔をのぞかせます。絶望です。
二つ目は文法・文末――文章のつながりは自然であるか(音読してチェック)、言葉の使い方を間違えていないか、漢字のブレはないかなど、見直せば見直すほど、読み返せば読み返すほど、直すところは増えていきます。不思議ですよね。

16.文章を書く上での悩み

地の文と台詞とのバランス!読む分には全然気にならないのに、自分で書くときに台詞ばかりが続くととたん不安になります。そうして地の文でインターバルをつけたりしますが、逆に読みにくくなっているのではないと心配になります。あとは語彙力の幅の狭さ。似たり寄ったりな表現や情景描写になることがあって、こんな時は言葉選び辞典や小説の気に入った表現を活用します。悩みは書く限り尽きません。

17.書き始めたきっかけ

高校生の時に出会った夢小説がきっかけです。最初は読み専でしたが、段々と妄想は膨れ上がりサイトを作っていました。好きな作品を誰かと共有できる楽しい時期でした。
オリジナルを始めたのは2012年なのでかれこれ8年になります。きっかけは二次創作を続けることに限界を感じ始めていたことと、自分の世界観を作って想像力を働かせることが元々好きだったからでした。今は本も作ったりイベントに参加したり、創作仲間と活動したりできて楽しいです。

18.読書はする?どんなジャンル?

します。でも読むのが遅かったり時間がなかったりで、積読が段々と増えている現状です。ああ、山が高いね……。早めに起きて30分の朝読書を始めました。はかどります。単純に物語を楽しんでしまうので、参考のためにということはあまりないですね。ジャンルはいろいろです。表紙を見て手に取る→あらすじを見て購入のパターンが多いです。ファンタジーやミステリーにサスペンスなどなど好きな要素があればどんなものでも読みます。

19.書くときに使っているツールは?
20.書くときに使っているアプリは?

初稿を書くときはEvernoteを使っています。パソコンとスマホを連動できるのでお気に入りのアプリです。わざわざ起動の遅いパソコンを開くことが億劫になり、魔が差してスマホ用のキーボードを買いました。おかげでスマホでの執筆作業がはかどるはかどる。二稿からはパソコンのWordに流し推敲→メモに保存して管理します。

21.どういう場所でどんな時間に書く?

休日の一日を使って、自室で漫画や小説の誘惑と戦いながら、ときには敗北しながら書いています。資料をちょくちょくチェックするので、一番効率がいいです。喫茶店で執筆することにチャレンジしてみたいのですが、長居するのもどうかなと尻込みしてしまって、ただただ憧れとなっています。最近いい感じの喫茶店が見つかったので、また挑戦してみたいな。

22.一回あたりの執筆時間は?

少なくて1時間、多くて6時間。集中力があまり続かないので休憩をちょくちょく挟みながら書いています。筆が乗ると没頭しますが、そんなときって稀なのです。

23.書きやすいお話の長さはどれくらい?

短編から中編が書きやすいです。字数で言えば1万字~3万字あたりで書き終わることが多いです。何せ飽きっぽいので長編は向いてません。同じ登場人物やテーマを連ねた短編集で文字数を増やしていきます。うふふ。

24.アイデアをメモしたものがあったらちょっと見せて!

ネタ帳の字がお見せできないレベルの汚さなので、代わりに本になった作品のプロットをチラ見せしますね!これも字が汚いね!


25.今までもらってうれしかった感想

いただいたものは全部嬉しいです!!!さっとスクショして「感想ありがとうフォルダ」に保存して大事に持っています。落ち込んだ時に読み返すと、とても勇気づけれます。ありがといございます。

26.いいねとかブクマの数って気になりますか?

気にならないと言ったら嘘なので……反応をいただけたらそれはとても嬉しいし、にやにやが止まりません。ただ、それに囚われすぎるとせっかく好きなものなのに筆を折ってしまいそうで、自サイトで小説を更新することにこだわるのはそのことが大きいです。小説投稿サイトもいくつか試してみましたが、やっぱりダメでした。スタンスとしては「私の素敵な庭を見て!」ではなくて「ふと立ち寄ったら素敵な庭を見つけた」という緩さが私は好きです。

27.好き、影響を受けている作家

中高生の時に読んでいた作家さんの影響を受けている気がします。
好きな商業作家さん(敬称略)は森見登美彦、ダイアナ・ウィン・ジョーンズ、柳広司、梨木香歩、白川紺子、村山早紀、上橋菜穂子、原田マハ、小野不由美、畠中恵、あさのあつこ、などなど。中高生のときは作家買いしていましたが、最近はストーリーが気になるかで決めることが多いです。

28.あなたの処女作について

「ピアニストの恋」です。
文字数としてはショート・ショートになります。今でもお気に入りの一作。思えばこれが私の自己紹介のような気もします。未亡人に片思いする青年ピアニストは性癖ドンピシャでした。

29.執筆中(構成中)のお話について

2020年7月現在は「ヒストリア王女の結婚」という近代ファンタジーを執筆中です。
こちらが終わったら、大正末期or昭和初期のロマンス小説を書く予定です。タイトルは「白藍の君(仮)」です。私の書くヒーローたちは物腰柔らかだったりすることが多いのですが、このお話では「冷ややかな目元の青年」が出てきます。名前も性格も決まってきたので、わくわくしています。資料集め頑張ります。

30.あなたはなぜお話を書くのですか?

小さい頃から空想好きの妄想好き、そんな自分の頭の中のものを吐き出すツールがたまたま「小説」だったのだと思います。書くことは楽しいばかりではないですが、書いた後の満足感は癖になるし、なにより自給自足できる素晴らしさ!今までやってきた中で一番長く続いている趣味なのは、誇ってもいいのかなと思います。


これからも楽しく創作活動をしていきます!
楽しいタグをありがとうございました。