近代日本に思いを馳せて:華族編

Twitterではすでに告知しましたが「華族アンソロジー」という新しいアンソロジー企画を始動しました!参加者も決まりまして、2月13日に素敵な執筆者を発表いたします。今からどんな一冊になるか、皆さんがどのように「華族」を描いてくださるか楽しみでしかたありません。まずは2023年1月15日発行に向けて頑張れたらと思います!情報は企画Twitterで公開していきますので、もしよかったらフォローお願いいたします。

さて、今回は意外にもリクエストがあった「オススメの華族参考文献を教えて!」にお答えします!
この機会にめぐるめく「明治・大正・昭和初期」を書いてみませんか?



今回は「華族」についての参考文献をご紹介します。
ですが、「そもそも華族がよくわからない」という方は、Wikipediaの華族の項目を読んでいただけると入りやすいと思います!いつもありがとうWikipedia先生!

華族にかかわる文献

『華族―近代日本貴族の虚像と実像』
華族について網羅したした一冊!成立から終焉まで書かれているので、この一冊だけで華族のことについて大方わかる構成になっています。文字ばかりなので、そういった資料が苦手な方にはちょっと読むのがたいへんかも知れないですが、いろんな華族の人生についても書かれています。
なにより、最後に紹介されている文献の多さに脱帽&参考になること間違いなしです!

『華族誕生―名誉と体面の明治』
こちらは「そもそも華族ってなに?誰がなったの?」という疑問がある方向けの一冊。爵位についても当事者の例をわかりやすく挙げていて、明治期の華族についてならこの一冊で十分まかなえます。著者の軽快な文章がよくて、解説も非常にわかりやすいなと思いました。同じ著者の「公爵家の娘 岩倉靖子とある時代」もたいへん興味深いので、気になった方はぜひ。

明治・大正・昭和 華族のすべてがわかる本』
すべてがわかる、と銘打ってるだけあってたいへん読みやすく、大まかな「華族とは?」からはじまり、後半は各華族家にスポットライト当てています。いろんなタイプの華族がいたことがわかるので、元ネタが欲しい方にオススメ。

『華族家の女性たち』
上記三冊は全体像としての華族資料ですが、こちらは華族女性・令嬢に焦点をあてた一冊です。「近代美人として」「男系の支え」「華族女子の職業」「逸脱する子女たち」の四章に、さらに細かくいろんなタイプの華族女性たちの生活や環境を明治から昭和(戦後)まで説明しています。華族女性を書くなら読んで損はないかと…!

『華族令嬢たちの大正・昭和』
当事者がかたることほど、参考になるものはありません!こちらは華族令嬢たちが語ったリアル。女性4人のロングインタビューがメインで、彼女たちが語る女子学習院での様子、結婚、戦争の時代をどう生きたのか等、資料とはまた違う視点が新しいです。そして読み手にとても優しく解説されているので、読み物ととして手に取るだけでも面白い一冊です。

『秘蔵写真でたどる 華族のアルバム』
私は写真資料に重きを置くのですが、こちらは写真がどれも興味深く、そして紹介される各華族に関わる話も読みやすく、興味深いです。誰もが知っている歴史上の人物たちをメインに「勲功華族」「公家華族」「武家(大名)華族」「宮家」と分けているので、その違いを見るのも良き。女性たちの洋装も素敵で見入ってしまいました。

『「華族」の知られざる明治/大正/昭和史』
見出しが見やすく、写真付きでまとめられた一冊。特に華族のスキャンダルについて書かれているのが印象深く、興味深いです。邸宅の紹介や年表、家系・系譜図がとても見やすかったです。

『殿様は「明治」をどう生きたのか』1・2
『お姫様は「幕末・明治」をどう生きたのか』

私が個人的に好きなシリーズ。各藩主やお姫様がどのようにして生きたのかがとても興味深く(そして逞しい)、読みふけってしまいます。資料というよりも上流階級がいなにして明治という時代を迎え過ごしたかを知ると、モデルにしたり、創作の人物背景を考えるのにいいかもしれませんね。

『ある華族の昭和史 上流社会の明暗を見た女の記録』
著者の酒井美意子女史自身が元華族家出身なので、とても興味深い記録。戦中戦後の華族社会の実態も垣間見れて、そして華族令嬢自身が語るというのがリアルで良いです。自叙伝ですが、華族社会の史料としても勉強になります。

『明治のお嬢さま』
華族女学校から結婚事情、貴婦人になるまで…華族令嬢たちをとりまく華族社会について綴られた一冊。各章のテーマがどれも興味深く、令嬢たちの生活を垣間見ることができます。


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以上、今まで読んだことのあるものをピックアップしてみました(大まかなもの)。もしほかにご存じのオススメ参考文献がありましたら、コメントに残していただけるととっても嬉しいです!どうか少しでも資料難民が減りますように。


余談ですが、私は参考文献は図書館で借りることが圧倒的に多いです。
そして、本を借りたりする前に、まずはインターネット(特にWikipedia)で検索しています。情報ゼロで本の海に入るより、事前に下調べした方が楽というのと、探し方次第ではネットにも参考にできる記事がたくさんあるからです(特に写真資料・過去の雑誌など)。
正直、そんなに掘り下げないのならネットの資料だけで短編くらいなら書けます。が、私はいつも資料本+ネットの二段活用です。また華族は個人の伝記・自叙伝(特に旧華族女性)も多いので、”生きた”資料としてはそちらもオススメですよ…!

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